高齢者のてんかん

高齢者のてんかん

高齢者のてんかん小児期よりも高齢になってからのほうが、てんかんを発症するリスクは高いのです。ここでは、65歳以上になってから新規に発症するてんかんの患者様について説明します。若いときにてんかんを発症した方が高齢になった場合とは違いますので、ご注意ください。あえて区別するために、高齢発症てんかんと呼ぶことにします。

高齢になると、脳血管障害や認知症になる可能性が増えてきます。そのような疾患はてんかんを起こし易くなるのです。さらに、若年者と同様、脳の疾患とは無関係に突然てんかんを発症する場合もあります。高齢発症てんかんの大きな特徴は、複雑部分発作の割合が多いということです。複雑部分発作とは、ボーっとして意識を失う発作でしたね。発作後にもうろう状態を伴うことも特徴でした。ここに高齢発症てんかんの診断の難しさがあります。全身けいれんを起こせば、だれでもてんかんを疑い、脳外科や神経内科や精神科を受診するでしょう。しかし、ボーっとするだけだとご家族も、まさかてんかんとは思わないのです。さらに、複雑部分発作の後に来る発作後にもうろう状態を伴うことも診断を難しくします。若年者よりも、このもうろう状態が長く、人によっては1日中続く場合もあるのです。なので、ご家族からすると、「急におじいちゃん(おばあちゃん)がボケた!」と思い込んでしまうことがあります。実際に私の外来にもそのような訴えで受診する方もおられます。さらには、認知症と誤診され、認知症の薬まで内服されている方もいました。通常の認知症は半年から1年かけてゆっくりと進行し、急に進むことはありません。しかし、ある意味、良い面もあります。それは、高齢発症てんかん以外のてんかんと比べ、一般的に薬が効きやすいのです。しかも、少量の抗てんかん薬で発作が止まることも珍しくありません。いずれにしろ、高齢発症てんかんには診断と治療にやや経験を要しますので、てんかん専門医を受診することをお勧めします。

 

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