うつ病・適応障害(仕事面のメンタルヘルス)

うつ病

うつ病は症状の現れ方が人によって実に様々で、その症状に合わせて治療法も異なります。
また、似たような症状がありながら、躁状態とうつ状態を繰り返す双極性障害は、うつ病とは異なる疾患です。
自己判断をせずに専門家の確かな診断を受けることが大切です。

うつ病の症状

軽症の症状

うつ病の症状は大きく精神症状と身体症状に分けられます。軽症の場合、精神症状としては、なんとなく一日中やる気が出ないといった漠然としたもので、一方身体症状としてもなんとなくずっと疲れているといったはっきりしないものです。
周囲とのコミュニケーションなども多少違和感がある程度で、本人も周囲も気づいていないこともあります。その他の症状としては以下のようなものがあります。

精神症状の例
  • 元となる原因がないのに落ち込んでしまう
  • なんでも悲観的に考えてしまう
  • 何事にも関心が持てない
  • ちょっとしたことで不安になったり焦ったりする
  • すぐにイライラする
  • 集中できなくなり、仕事や勉強が進まない
  • 服装・外見を気にしなくなってきた
  • 人と話したくない

中等度の症状

症状が少し進んで中等症になると、精神症状としては、ある程度他の方からみても分かる程度にやる気が出なくなってきます。また身体的にも不眠などが起こり、睡眠不足もしばしば見られます。
それでも、本人は頑張らなければという気持ちが強く、集中できなかったりやる気が起こらなかったりする自分を責めてしまいがちです。中等症になると、その他に以下のような身体症状も増えてきます。

身体症状の例
  • 頭痛や耳鳴り、めまいといった頭部の症状
  • 眠れない、眠り過ぎるといった睡眠障害
  • 動悸や息切れといった循環器系の症状
  • 胃部不快感、食欲低下、便秘、下痢など
  • 性欲がない、生理不順など

※場合によっては軽度の段階から上記症状が目立つ方もいらっしゃいます。



重度の症状

明らかに、仕事や勉学なども含む日常生活に支障を来し、周囲とのコミュニケーションにも障害が起こってきます。特に「もう死んでしまった方が良いのでは」という自殺願望が起こってくることがあります。
少し状態の良くなった時にかえってこの傾向が強く、しばしば実行に移すこともあります。日常生活も難しくなるため、入院治療が必要になることもあります。 このように重症化すると、命の危険もでてくるのがうつ病です。早期のうちにうつ病のサインを読み取って、適切な治療を受けるようにしましょう。

うつ病の原因

うつ病の原因うつ病がどうして発症するのかは、今のところはっきりとは解明されていません。
しかし、現在までの研究で、脳の神経伝達物質が減少してしまい、感情や行動といった部分の働きが障害されてしまうことで起こるのではないかと考えられるようになっています。
そうした状態が、日常生活の変化、身体的な不調などが引き金となって発症します。
具体的には、精神的なストレスや身体的なストレス、妊娠や加齢、ホルモンバランスの変化などがきっかけになります。また、一般的には楽しく喜ばしいような人生の変化でも発症のきっかけになることがあります。
基本的に、こうした症状は初期の段階で適切な治療さえすれば、社会生活に影響のない状態を保つことが可能ですので、早めの受診をお勧めします。

うつ病に関わる神経伝達
物質「セロトニン」

うつ病の原因になる神経伝達物質の中心的な役割を果たしているのがセロトニンという神経伝達物質で、必須アミノ酸であるトリプトファンから合成されて、脳の中枢に放出されます。セロトニンは他の神経伝達物質であるドパミン(喜び、快楽)、ノルアドレナリン(恐怖、驚き)を制御し、精神を安定させる働きがあります。セロトニンが低下すると、ドパミンとアドレナリンのバランスが不安定になることで、不安やうつ、パニック障害などの精神症状があらわれます。 そのため、うつ病の改善にはセロトニンの分泌を増やすことが重用な要素となっています。

うつ病の治療

近年、うつ病にはセロトニンなどの脳内伝達物質や脳内で作られる神経栄養物質が大きく関わっていることが解明されてきたため、それらの分泌を増やしたり補充したりといった薬物による治療、精神療法、しっかりと休養をとり環境を整える療法、その他の治療法が行われるようになっています。

投薬


投薬薬物療法としては、一度脳内に放出された神経伝達物質が、再度吸収されてしまうことを防ぐ「抗うつ薬」が中心となります。これに「抗不安薬」や「睡眠導入薬」などを加えて、患者さんそれぞれの状態に合わせた処方を行います。
これらは速効効果のあるものではなく、服用を続けることで、だんだんと脳内物質の分泌が増えたり、活性化されたりするものです。
そのため、途中で治療を止めたりすると、再発、重症化を招きますので注意が必要です。

精神療法

うつ病を発症したきっかけがはっきりと特定できない場合があります。このタイプの患者さんは、後述する休養や環境の整備などと、抗うつ薬などの薬物療法を組み合わせてもなかなか、治療効果を上げることができないケースが多くなります。当院では本格的なカウンセリングは行っておりませんが、院長が診察の中で日常生活においての対処方法など助言しております。

環境の整備

うつ病は、もともと物事に真面目に取り組み、責任感が強い性格といったタイプの方に多い傾向があります。そういった方は何かを行う時に、気分転換をする、しっかりと休むといったことが不得手で、ついストレスや疲労が蓄積し過ぎてしまいます。
しっかりと休養をとる、環境を変えるといった変化をつけることは、実は心の安定にとって非常に大切なことです。こうした生活上の指導を治療の一環として行っていくことも大切です。

まずはご相談ください

まずはご相談くださいうつ病は、決して不治の病ではありません。適切に治療すれば確実に治っていく病気です。
一人で悩んでしまうと、逆にどんどん気持ちは落ち込んで重症化してしまいます。 重症化させてしまったら、死んだほうがましだなどと考え、それを実行に移してしまうことさえあります。
そんな事態を招かないためにも、どうか一人で悩まず、精神科や診療内科などの専門医に相談してみましょう。

適応障害

適応障害は強いストレスによって起こるストレス性障害の一種です。その人にとって耐えられないほどの精神的な苦痛となると、時に過剰に精神的な影響があらわれてしまうことがあります。
適応障害は、きっかけとなるはっきりした原因があって、そのために精神的・身体的な様々な症状があらわれ、結果として健康的な日常生活を送ることができなくなってしまう疾患です。
こうしたきっかけとなるストレス要因は、台風や地震といった天災、戦争やテロといった社会的暴力、親や教師、友人、パートナーといった日常的な環境などあらゆることが対象となります。特徴は障害が一時的なものであることで、6か月以上長く続く場合はうつ病など、他の疾患が考えられます。

仕事と適応障害

仕事と適応障害働いている方にとって、睡眠時以外に一番長い時を過ごすのは職場ではないかと思います。そのため、職場において、仕事上のプレッシャーや人間関係がストレス要因となって適応障害の症状を起こす方はかなりの数に上ります。
当院でも、上司からの叱責やプレッシャーが激しい、労働時間が長時間になり休めないといった状況を、自分の中に溜め込んでしまって、ある日限界を迎えて、会社に行こうとすると気分が悪くなる、激しい頭痛に襲われるなどで出社できないといった症状で受診される方が多くなっています。
あまり我慢してしまうと重症化するため、お悩みがあれば早めにご相談ください。

適応障害になりやすい人

環境面(外部要因)

孤立した環境に閉じこもって(または閉じ込められて)いる、仕事に追われ、友人や同僚などとなかなかコミュニケーションがとれないなど、相談や支援を受けることが出来にくい環境にいる場合、外的な要因から適応障害を起こしやすくなります。

精神的側面 (内部要因)

ストレスの感じ取り方や受け止め方は人それぞれで、同じ環境でも、適応障害になってしまう人もいれば、何も異常を起こさない人もいます。
適応障害を起こすトリガーはそれほど人によって異なるものなのですが、その異なる部分が、もしかしたら、ご自身の精神的側面に関わっているということがあるかもしれません。精神的側面といっても、全人格的な部分ではなく、ある一定の条件に対しての対処法に慣れていないなどの限定的なものです。適応障害に対応するためには、一般論ではなくその人にとって、ストレスの要因にどのような重きがあるかということを見極めることが大切です。

適応障害の症状

不眠

  • 入眠障害
  • 中途覚醒
  • 早期覚醒

喉の異物感

  • 喉に何かが引っかかっている感じが続く
  • 耳鼻咽喉科を受診しても異常はない喉の圧迫感

胸の圧迫感

  • 心窩部(のどの下からみぞおちを中心とした部分)の締め付けられるような感覚
  • 内科などを受診しても異常は発見されない

息苦しい

  • いくら息を吸っても息苦しい
  • 過呼吸


手足や口の周りのしびれ

  • 手足や口の周辺の軽度のしびれ


動悸

  • 心臓が止まってしまうのではないかというほどの強い動悸
  • 常に続くような弱い動悸

吐き気

  • 満員電車やプレゼン開始前などの吐き気

難聴

  • 一時的な両耳の難聴

適応障害の治療法

適応障害の治療は、環境調整、服薬治療、精神・心理療法
という3つのアプローチで治療します。

環境の調整

休職

職場の環境などによって、強いストレスを受けている場合、一時的に仕事を休んでみることも大切です。休職によって、心をリセットすることが大切です。医師の判断で必要に応じて診断書をお出しすることがあります。

退職・転職

休養した後、それまでの職場に戻ることだけが唯一の選択肢ではありません。現代は多様性の時代といわれ、会社員だけが生きる道ではないので転職や、退職といった選択肢も考えてみましょう。

服薬治療


服薬治療適応障害は、うつ病に近いような症状があらわれることもあります。放置するとどんどんそういった症状が進んでいくような場合は、抗うつ薬、抗不安薬、精神安定薬、睡眠導入薬などの処方を行うこともあります。
抗うつ薬などというと、逆に不安に感じてしまう方もいるかもしれません。当院では状況に応じて患者さんと相談しながら薬物治療を行っておりますので、安心してご相談ください。

精神療法、心理療法

適応障害では、発症の元となっているストレスの実体を知ることはとても大切です。この原因は本当に人によって様々です。
また、そのストレスによってあらわれてくる症状も様々で、こんな症状がでているから適応障害、これはそうでないなどと一括りで決めつけることができないのがこの疾患の特徴です。そのため、患者さまに応じた具体的なご助言や指導を行っております。

適応障害の予防

適応障害の予防現代では人がストレスを受けることは当たり前になっています。そのため、どのようにしたら、自分が今受けているストレスを解消できるか、また受け流せるかといったテクニックは重要になってきます。
充分に休養を取り、食事や睡眠に気をつけるといったことは大切ですが、ご本人にしてみればもう充分やっているつもりという答えになりがちです。 そのようなことで解消できないほど自分にとって重い状態であれば、思い切って今いる環境を変えてみることも効果的かもしれません。
自分の心の障害となっている原因を探るということは、自分とはっきりと向き合うということです。適応障害は誰にでも起こりえる病気ですので、時にしっかりと自分と向き合って、その原因を探り当てることは、一歩進み出す良いきっかけなのかもしれないのです。困ったことがあればどんなことでもご相談ください。

適応障害では、自分自身が主治医になることが大切

医師などの専門家といえども、患者さんが自分自身でストレスを解消したり、問題解決を行ったりするためのお手伝いしかできません。
大切なことは、自分自身が自分の心の主治医であるという気持ちで障害と向き合っていくことです。

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