お知らせ

第6回 心療内科と精神科の違い

第6回 心療内科と精神科の違い

 

第6回です。今回、心療内科と精神科の違いについて説明してきたいと思います。最初に言っておきますが、私は「精神科医」です。では、なぜ、当院に限らず、心療内科も標榜しているメンタルクリニックが多いのでしょうか?

 

心療内科とは

 

厚生労働省のホームページによると、「心療内科とは緊張やストレスなどの心理的な影響が原因で起こる身体の疾患(心身症)を従来の身体的な治療のみならず、併せて心理面での治療やケアを行うことを目的とした心身医学を母体とする診療科です。」と書いてあります。簡単に言うと、体の病気で精神的なストレスも関連している病気ということですね。さらに、「診療する病名は過敏性腸症候群・潰瘍性大腸炎・機能性胃腸炎などの内科疾患からがん患者の緩和ケア、腹痛・頭痛・腰痛・顔面痛などの慢性疼痛、ストレスが関与する虚血性心疾患や動悸、肥満症、偏頭痛、めまいなど多岐にわたります。」と最後に記載されています。なので、本来は内科の先生が診ている領域です。実際に、心療内科専門医の受験資格を調べてみると、このブログを書いている現在、満たすべき条件の一つに「申請時において日本内科学会認定内科医(あるいは総合内科専門医)または、新内科専門医の資格を有すること」とあります。もちろん、私も心療内科専門医資格は持っていません。ただ、上記のような症状は精神科疾患と共通する点が多く、当院でも、過敏性腸症候群、ストレスによる慢性疼痛や動悸やめまいは、よく診ています。

 

精神科とは

 

精神科とは、当たり前ながら精神疾患を診る科です。統合失調症、躁うつ病、うつ病、不眠症、不安障害、拒食症、などを診ています。私もこのような「The精神疾患」を長年研修し、経験を積んできました。当院に受診されている方も大部分が精神疾患を持っています。なので、一般的にはメンタルクリニックなどで、精神科、心療内科と標榜していても、診断や治療などやっていることはほとんど精神科なんですね。

 

どうして心療内科も標榜するの?

 

では、なぜ心療内科を標榜している精神科クリニックが多いのでしょうか?それは、単に「そのほうが患者が来そうだから」という経営面ではないと私は思います。以下、私の持論です。昔から言霊(ことだま)という用語があるように、名前というのは非常に強い力を持っています。簡単に言うと、「心療内科」の方が「精神科」よりも言葉の持つイメージがマイルドだからですね。残念ながら、患者様の中には精神科に対して、偏見が強い方もおられます。本当は、うつ、不安などで苦しんでいるのに、「精神科に受診しているなんて周りには言えない」と考えて、受診できない人も多数いるのではないか、と想像しています。これまでに本人が受診したくても、家族や友人が「精神科なんて行ったらダメ。病名付けられて、精神病患者扱いされるよ」と言われてなかなか受診できなかったとうケースも数多く経験しています。内科や外科と違い、「調子が悪いから病院に行く」という当たり前のことが、精神科になったとたん当たり前にならなくなってしまっている。そのような状態を少しでも避けるために、心療内科も標榜しているクリニックが多いのだと思います。実際に、科にかかわらず、どんな病気も軽症のうちに治療した方が治りが良いです。話は飛びますが、てんかんという病気がありますよね。わたしはてんかん専門医を持っています。てんかんは漢字で書くと、癲癇と書きます。癲には「狂う、気が違う」、癇には「ひきつけ」という意味があります。この言葉のルーツは昔の中国の医学書にあるのだそうです。今の時代だと、非常に差別的ですよね。なので、てんかんと平仮名で表現しているのです。もしかしたら、そのうち、てんかん自体も病名が変わるかもしれませんね。精神分裂病→統合失調症、痴呆症→認知症のように。

 

今回は、以上になります。

第5回 休職中の過ごし方と治療

第5回 休職中の過ごし方と治療

 

第5回です。前回、適応障害の治療や対応について書きました。今回は、休職が必要になった場合、休職中に何をすればいいかを書きたいと思います。まずは、前回は上司のパワハラにばかりスポットを当ててしまったので、簡単によくあるその他のパターンにも軽く触れてみます。

 

同僚(または同級生)が原因の場合

 

同僚から嫌がらせを受けている場合はどうでしょうか?これも実は微妙な話で、どこまでが嫌がらせで、どこまでが単に気が合わないだけなのか、線引きが難しいです。前回と同様、まずは正直に上司(または学校の先生)に言ってみることがよいかと思われます。

 

配偶者が原因の場合

この場合はほとんど、私ができることはあまりないのが実情です。明らかなDVなどの場合は、警察に相談するのが望ましいと考えますが、下手に精神科医が口出ししていい領域ではないと思います。ただ、そこまでひどくはないけど、配偶者のこういうところが嫌で悩んでいるというレベルの方もおられますので、正直に「直してほしい」と伝えることが重要かと思います。ただ、こればかりは伝えてみてどう転ぶのか分からず、難しいところです。中には、配偶者には言い出せず、薬を飲んで我慢している患者様もおられます。正解はない難しい問題です。

 

休職中の過ごした方

 

さて、話を本題に戻します。前回も書いた通り、職場を休職したら、まずは「ゆっくりと休む」ということが重要です。調子が悪くて、何もやる気が起こらない場合、一日中家でごろごろしていても仕方ありません。ただ、そのようなレベルの方にはすでに抗うつ薬を処方してことが多いです。薬が効いてきて、または、薬なしで休養だけで回復してきた場合、次にやるべきことは、外出です。本人が行きたいところならどこでも構いません。まずは、家の周りの散歩から始めてみることをお勧めします。徐々に近所のコンビニやスーパーなど歩く範囲を広げてみるとよいでしょう。他にも、図書館、公園、遊園地、ショッピングモール、カフェ、映画館、動物園、など、どこでも構いません。足が悪いなどの理由がある方の場合は、家にいても構いません。ただ、本人の体の許す限り、やはり体は動かしたほうがいいです。家事を手伝うことを勧めることが多いです。とにかく、何もせずに家でずっとダラダラするというのは良くありません。昼夜逆転のきっかけにもなるので、昼間はできるだけ活動してもらうことを勧めます。話はずれますが、よく休職してすぐに、または初診の時に「退職したい」と訴える方がいます。私は、これに対して、「今すぐには判断しないように。今はうつ状態で、ある意味頭が麻痺している状態であり、正常な判断ができない。うつが良くなってから、すっきりした頭で考えて、退職したいのなら止めはしないが、とにかく今は結論を先延ばしにするように。」と説明しています。

 

家族の配慮

 

家族は患者様に対して、どういう態度で接すればいいのでしょうか?私は「普段通りでいい」と伝えています。下手に気を使ったりする必要はありません。ただ、「早く復職しないと」などと焦らせたり、本人を落ち込ませるような発言は控えてほしいと思います。散歩に付き合ってもらうと助かります。

 

回復してきたら

 

徐々に元気が出てきたら、外出の回数を増やしていくことを勧めます。私の場合、復職の条件として、「生活リズムが整っていること」「週5日外出を安定してできていること」をあげることが多いです。当院に受診する方のうち、ほとんどの方が休職する前の段階では、「週5日、40時間以上」働いています。ということは逆に言うと、休んでいる段階で自分の好きなところに週5日、せめて1日5~6時間は外出できる気力、体力が無いと、とてもではありませんが復職はできません。復職したら、当然ですが仕事をしなければならず、仕事には相応の責任が伴いますので、もっときつい週5日の外出が待っているわけですから。

 

今回は以上となります。

 

第4回 適応障害の治療について

第4回です。今回は適応障害と診断された場合、どのような治療をしていくのか、について書いていこうと思います。適応障害は、以前書いたように、不安、落ち込み、不眠、などの症状がみられるのでしたね。結局は、適応障害とうつ病は似通っている部分もあるので、落ち込みに対しては抗うつ薬、不眠に対しては睡眠薬といった具合に対症療法(症状をとりあえずとる治療)になることが多いです。よくあるパターンをあげてみました。

 

仕事が原因の場合

 

仕事が原因と言っても、いろいろあります。上司のパワハラや同僚とうまくいっていない、といった人間関係のこともあれば、職場の人間関係はいいのに単に忙しすぎて、家に帰るのが24時頃になるといったこともあります。もちろん、仕事が原因と患者様も主治医も思い込んでいるだけで、実は全然違うところに原因があることもあります。稀ですが、以前書いたように甲状腺の病気だった、ということもあります。ここでは、便宜的に仕事が原因と表現しましたが、100%仕事だけが原因で適応障害とは言い切れないことをご了承ください。上司のパワハラ(といっても本当にパワハラレベルなのか?については私でなくて、会社の調査委員会や裁判所が決めることなのですが)が原因の場合、私なら「上司の上司に相談しましょう」と伝えています。会社によって、本当に対応は様々です。「すぐに動いてくれてパワハラ上司に注意が行き、パワハラがやんだケース」「注意はされたが、パワハラが変わらないケース」「上司の上司が全く動いてくれないケース」などです。ただ、会社の大きさにもかなり影響され、例えば、従業員数人だけの会社で社長のパワハラがひどい場合は、こちらとしても手も足も出ません。正直に社長に嫌な思いをしている旨を伝え、それでも改善が見られないときは転職するしかないように思えます。最近は、だいぶ世間がパワハラや長時間労働に敏感になっているので、大きな会社ほど、そこが徹底されているように感じています。診察をしていると、中小企業を中心として明らかなブラック企業を疑わせる会社も見受けられ、なかなか対応が難しいこともあります。長時間労働の場合は、やはり上司に正直に辛いことを伝えるべきでしょう。上司の反応はこれまた様々。聞いてくれる人、無視する人、逆に説教する人もいます。あまりに落ち込み、不安が強くなり、出社できないレベルと判断される場合は、休職の診断書を書くこともあります。

 

休職中の過ごし方や治療

 

休職するほど調子が悪い場合、落ち込みが強く、抗うつ薬が必要になるケースが多いです。まずは、ゆっくりと休息をとることが必要です。パワハラ上司や長時間労働から解放されて、多くの方が多少は改善します。しかし、それだけで完全に病状がよくなり、復職までこぎつけられる人は稀です。医師により、やり方は様々でしょうが、私の場合は、休職して1か月すぎても落ち込みや意欲低下がよくならない場合は、抗うつ薬を勧めることが多いです。当然、会社側も休職を認める際、「休んでもいいから早く治療して良くなって復職してね」という暗黙の了解があります。中には薬に抵抗が強い患者様には、当院ではやっていませんが、他院のカウンセリングを勧めることもあります。ただ、「調子が悪い。医師が抗うつ薬が必要と判断している。でも、薬は飲みたくない。カウンセリング通うのも嫌だ。でも、具合が悪いから休みは延長してほしい。」といった状態が長続きしてしまうと、膠着状態になってしまい、治療がうまくいきません。休職中に、最初のうつ状態がひどすぎる状態の時を除き、患者様にも何らかのアクションが必要になってきます。

 

今回は、適応障害と診断された以降の対応について書きました。休職中の過ごし方や治療についてはまた別の機会に書いてみようと思います。

第3回 体の病気などが原因の症状について

第3回です。今回は、体の病気などが原因の症状について説明してきます。精神疾患のほとんどは脳に原因があると言われています。ドーパミンやセロトニンなどの仮説がありますが、あくまで仮説であり、本当のところはまだ解明されていない部分も多いのです。体が原因の場合、まさかそれが原因とは思わず、不眠やうつ、イライラなどで精神科に受診し、後から体の病気が原因だったとわかるケースを時々経験します。代表的なものだけ、今回、紹介します。

 

甲状腺の病気

 

甲状腺の病気は、イライラ、動悸、不安、落ち込み、倦怠感などの症状が出ることがあり、これはうつ病、不安障害、パニック障害などの症状と共通している部分が多いのです。なので、以上のような症状がある場合には、当院では、甲状腺ホルモンを測ってみることがあります。実際に、以前通っていた精神科では、うつ病と診断されており、複数の抗うつ薬が無効で、落ち込みが続いていた方に、当院にて、甲状腺ホルモンを測ってみたところ、甲状腺機能低下症(橋本病)を疑わせる数値だったことがありました。当院では簡単なホルモン雌しか検査できないので、近くにある甲状腺の専門医に紹介状を書き、受診してもらったところ、甲状腺機能低下症と確定診断され、甲状腺の薬ですっかり元気になりました。もちろん、抗うつ薬はその後中止しましたが、調子が良いまま経過され、無事、当院での治療は終了となりました。当院では、おおよそ年に1~2人はこのような方が見つかります。精神疾患と甲状腺の病気は使う薬がまったく違うので、これは侮れません。

 

睡眠時無呼吸症候群

 

寝ているときに、いびきをかき、さらにそれがひどいと、睡眠中に無呼吸を起こす病気です。なぜ精神科と関わりが深いというと、睡眠時無呼吸症候群がよくうつ病と合併するからです。また、「夜にちゃんと寝ても、昼間眠くして仕方ないんです」と訴える方の中に、睡眠時無呼吸症候群が見つかる方もいます。なので、当院では、いわゆるメタボ体系の方や抗うつ薬を複数試しても治りが悪いうつの方には、一度睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか、専門病院で診てもらうように勧めることがあります。当院の近くに「すなおクリニック」というメンタルクリニックがあり、そこが睡眠疾患を多くみているので紹介状を書くことが多いです。もちろん「大宮 睡眠外来」「埼玉 睡眠外来」と検索してもらって、見つかった睡眠外来に受診してもらっても構いません。捕捉ですが、睡眠時無呼吸症候群があると、ベンゾジアゼピン系という精神科でよく使われる睡眠薬を飲むと、かえって睡眠時無呼吸が悪化してしまうこともあるので、注意が必要です。

 

アルコール

 

以前も書きましたが、アルコールは不眠を悪化させます。一般的に「寝酒」と言って、酒を飲むとよく眠れると思われがちですが、これは間違いです。確かに、寝つきは少しは良くなるでしょう。しかし、その後の睡眠が浅いところで推移しがちになり、途中で目が覚めることが多くなり、睡眠の質は結局大幅に下がってしまうのです。また、酒はうつも悪化させます。アルコールはアセトアルデヒドという化学物質であり、脳に作用し、うつを直接的に悪化させます。そればかりか、アルコールは精神科の薬との相性が悪く、せっかく処方した薬の効果が下がってしまいます。なので、私の場合、特にうつ病の方には「酒を飲むと、睡眠は悪化するし、直接的にうつを悪化させるし、せっかくの抗うつ薬の邪魔もするし、いいこと一つもないですよ。治りたかったら、まずは数か月の間は断酒するか、無理なら酒を極力減らしてください」と説明しています。中には「これまでの先生からは、そんなこと言われなかった」と驚かれる方もいますが、当院では少しでも良くなってもらう確率を高めるために、そのように勧めています。

 

今回のブログは以上になります。精神科は奥が深く、意外なことが症状の原因であることもあり、やはり医師としてもやりがいのある仕事です。

第2回 精神科、心療内科はどのようなときに受診すべきか

第2回 精神科、心療内科はどのようなときに受診すべきか

 

第2回です。今回は、精神科や心療内科、いわゆるメンタルクリニックにはどのようなときに受診するべきなのかを書いていきたいと思います。メンタルクリニックには様々な症状で患者様が訪れます。一番分かりやすいのが、不眠、不安、落ち込み、などでしょう。精神的な症状が出る原因は様々です。明らかな原因がない場合もありますし、会社のストレスや長時間労働、学校でのいじめ、体の病気、などが原因の時もあります。例えば、会社で長時間労働が続けば、誰だって辛いですよね?それが原因で、うつ状態になってしまう人も珍しくありません。そのような人には、クリニックを受診してもらいます。症状が強ければ、私の方から診断書を書いて、休職したり、業務負荷を取ることが望ましい、などと書くこともあります。ただ、患者様一人一人により、状況は様々。「会社を休みたくない」と主張して譲らない人もいれば、私が診察して「会社を休むまではないかな」と思っても、「会社を休みたい」と主張する人もおられます。その場で、その人にあった助言や対策をできるだけしていくことになります。

 

不眠の場合

 

また、不眠一つとっても、原因は様々。意外と多いのは、酒を飲みすぎて眠れない人です。意外かもしれませんが、酒は睡眠に逆効果なのです。私は昔、成増厚生病院のアルコール依存症の専門病棟で働いていたことがあります。皆さん、見事に入院当初は不眠を訴えます。これはアルコールの離脱症状も原因の一つかと思われます。そして、不思議なことに入院して断酒を2週間ほどしたときに、今度は徐々に不眠が改善していくのです。私も患者様には「眠りたいなら、酒は盆暮れ正月、冠婚葬祭、久々の友人と会った時だけにしてください」と伝えます。それでも、飲みたいという人には「飲まないに越したことはないですが、2週間に1回ぐらいならギリギリOK。よくなりたかったら酒はとにかく減らしてください」と伝えます。また、若い人、働き盛りの人だと、コーヒーを飲みすぎたりして、カフェインを取りすぎている人もいます。まずは、カフェインを減らさないと睡眠薬もなかなか効きません。

 

不安の場合

 

不安を訴え、受診される方も非常に多いです。原因は様々。原因がなくても、なんとなく不安が止まらなくなってしまった人もいれば、明らかなきっかけがある人もいます。原因があれば、その原因から離れることで落ち着く場合もありますし、家族からのDVなど、すぐには解決できない悩みを抱えている人もいます。その場合、薬の助けが必要になるかもしれません。また、不安といっても、何となくの不安が1日中続く人もいれば、強度の不安が30分ほど続く、いわゆるパニック発作が出る方もあり、やはりその人それぞれで薬や助言が違うことが多くあります。

 

入院が必要な場合

 

例外として、例えば、「お前を殺すぞ」という幻聴が強くて、家にいるのが怖くて、夜中に家を飛び出し、公園で独り言を言いながら、歩き回っているところをパトロール中の警察に保護された、だとか、死にたい気持ちが強すぎる、死ぬことばかり考えてロープを買ってきて、首をつってみたが、苦しくて死ねなかった、などという場合があります。このような場合には、精神科の病院を紹介し、場合によっては入院をしていただく場合もあります。私は精神科医なので、総合病院の救急部や循環器内科、脳外科の先生のように身体の面で生死の境をさまよう人は診察してきませんでしたが、精神の面で生死の境という方はたくさん診察してきました。もちろん、そこまで重症になるまでに治療がうまくいくようにできるだけ手は尽くすのですが。。。

第1回 適応障害はどんな症状が出る?

第1回 適応障害はどんな症状が出る?

適応障害とは

適応障害とは、教科書的には「人間関係、経済的問題、身体疾患などに伴うさまざまな心理社会的なストレス因を明らかな契機として、反応性に情動、認知、行動の各側面にさまざまな症状が現れ、生活、学業、職業に適応不全の状態が一定期間持続し、ストレス因がなくなるかその影響が小さくなれば軽快するという特徴を持つストレス関連精神疾患である」と記載があります。
私も自分でもこれが何を意味しているのか完璧にはいまだに理解できていません。

適応障害について私の見解

これを私なりに解釈してみます。私なりに、適応障害とは、要は、「何か嫌なこと、辛いこと、ショックなことがあって、それに対して、精神症状が出ている状態」と考えています。嫌なこと、辛いこと、ショックなことことして、例えば、「上司や同僚からハラスメントを受けた」「単純に仕事が忙しくて体も心も疲れがたまってきた」「夫婦関係がうまくいかずストレスが溜まっている。離婚の危機である。もしくは、実際に離婚してしまった」「親の介護で疲弊している。または、長年介護してきた親が急に亡くなり生き甲斐が無くなった」などがよく聞かれる訴えかと思います。また、高校生だと「友人の裏切りにあった」「先生と合わない」「成績が下がってきた」「親とうまくいっていない」などですね。そのようなストレスがあったがあれば、人間誰でも落ち込んだり、不安になったりするものですよね?でも、ほとんどの方は時間とともにそのような問題を乗り越えられます。ただ、あまりに負荷が強かったり、本人側の問題で疲れがたまっていたり、もともと傷つきやすく不安になりやすい性格だったりすると、様々な症状が続いてしまうことがあります。様々な症状とは、簡単に挙げると、不安、落ち込み、情緒不安定、などです。場合によっては、イライラして暴力的になってしまったり、引きこもったり、死にたくなってしまったりする人もいます。

うつ病とどう違うのか

ここまで読んだ方は、「うつ病とどう違うのか?」と思った方もおられると思います。私自身も実際の診察上では、厳密には区別しないことも多いです。ただ、適応障害には必ず原因となる、または原因と推測されるようなストレス因があります。うつ病の場合、ストレス原因がなくても、うつ病を発症する方もおり、一概には言えません。ただ、出現する症状は落ち込み、不安、などの共通点も多く、治療も似通ったものになります。まずは、適応障害だろうが、うつ病だろうが、「ゆっくり休むこと」です。休むというのも、色々あります。完全に休職するのも手ですし、上司に相談して仕事を減らしてもらうか残業を免除してもらうのもいいでしょう。もちろん、上司が厳しくて、言い出せない、却下される、という話も聞きます。どうしようもないときは休職やむなしと思うケースもあります。患者さんによっては「私が休むと他の人に迷惑がかかるので休めない」とおっしゃる方もいます。私から言わせると、それはほぼ間違いで、本人が休んでも大体の職場というのはなんとかなります。もっと言うと、適応障害などで休職者が出た時に、人員補充するなど、なんとかすることが上司の仕事でもあると私は思います。その分、上司は患者さんより多く給料を得ているわけですから(笑)。そして、不思議なことに経営者の方は、「倒産した」「共同経営の人に裏切られた」など特別な場合を除いて、あまり適応障害になりません。おそらくですが、経営者のほうが、自分の働き方を自分で選べるからだと、考えられます。私はいつも、小学生の時に、先生に聞いた話を思い出します。「ある国の軍隊を二つのチームに分けて行進の訓練を行った。一つのチームには目的地やあとどの位で到着するのかを教えずに、もう一つのチームには教えた。教えられなかったチームのほうが脱落者が多かった」という話だったと思います。やはり、自分が今やっている仕事が会社、ひいては社会にどう役に立っているのかが分かりながら仕事をするのと、何となくやらされるのでは、疲れの度合いが違うのかもしれません。

 

ブログをはじめました

こんにちは。児玉クリニックの院長の児玉智博です。現在、当院には私しか医師が勤務しておりません。私の精神医療に対する考え方など色々発信できればと思い、今回、ブログを始めさせていただきました。
一部、当院のホームページと記載が異なったりする点もあるかとは思いますが、ブログでは正確性よりも、私のこれまでの医師としての経験に基づき、多少の主観も交えた内容で書いていこうと思いますので、ご了承ください。また、医学の進歩の速さは近年すさまじく、ブログの内容(ホームページの内容も)が時代と共に古臭くなっていくこともあり得ます。その時には、また、少しずつ、訂正などしたり、新しい記事を書ければ、と思っておりますので、どうぞお付き合いください。

ビル点検停電のお知らせ:予約システムが10月9日(火)の17時~10月10日(水)の9時まで利用できなくなります。

当クリニックビルの点検停電のため、

一時予約システムの利用ができなくなります。

期間:10月9日(火)の17時以降~10月10日(水)の9時まで

皆様にはご不便をおかけしますが何卒宜しくお願い致します。

臨時休診のお知らせ:11月2日(土)

11月2日(土)は研修のため臨時休診とさせて頂きます。

ご不便をおかけしますが何卒よろしくお願いいたします。

 

臨時休診のお知らせ:7月23日(火)は講習会参加の為、臨時休診となります。

7月23日(火)は講習会参加の為臨時休診とさせていただきます。

ご不便をおかけしますが何卒よろしくお願いいたします。

夏季休診の知らせ:8月11日(日)〜18日(日)

いつも当院をご利用頂きありがとうございます。

夏季休診のお知らせです。以下の日程にて夏季休診とさせて頂きます。

◆8月11日(日)〜18日(日)

ご不便をおかけしますが何卒よろしくお願いいたします。

臨時休診のお知らせ:4月8日の午前診療は休診となります。

4月8日(月)は午前診療を休診とさせて頂きます。

※午後診療は通常通り行います。

ご不便をおかけしますが何卒よろしくお願いいたします。

臨時休診のお知らせ:2月2日(金)は休診とさせていただきます。

いつも当院をご利用いただきありがとうございます。

2月2日(金)は院長出張の為、臨時休診とさせていただきます。

ご不便をおかけいたしますが何卒よろしくお願いいたします。

当院最寄りの有料駐車場ご利用について

当院から一番最寄りの有料駐車場が11月15日(水)までご利用ができなくなっているため、

現在、少し離れた場所をご利用頂く状況でございます。

ご利用の方は、予約時間をご考慮の上、

ご来院いただけますよう何卒よろしくお願いいたします。

 

年末年始の診療のお知らせ

当院では12月28日(木)~1月4日(木)まで年末年始の休診とさせていただきます。

皆様にはご不便をおかけいたしますが何卒宜しくお願い致します。

DR.BRIDGE|クリニックホームページ作成クリニックホームページ制作
  • 048-783-3302048-783-3302
TOPへ