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パニック障害の治療

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パニック障害の治療

 

第23回です。第22回でパニック障害(パニック症)でよく出る症状について解説しました。今回は、診断されたら、どう治療していくのかを解説していきます。あくまで当院でよくやっている治療について説明していきます。まずは薬物療法です。抗うつ薬と抗不安薬を使うことが多いです。

 

抗うつ薬

パニック障害によく効く薬は、ずばり抗うつ薬です。いわゆるSSRIと呼ばれる薬です。有名な薬だとパロキセチン、セルトラリンなどです。抗うつ薬は、文字通り、うつ病に効きます。落ち込み、意欲低下、などに効果があります。さらに、抗うつ薬は全体的な不安にも効くんですね。パニック障害は、大きく分けて不安メインの病気ですから、抗うつ薬が効果を発揮します。抗うつ薬が効く他の病気として、あがり症の強いバージョンの社交不安症(昔でいう対人恐怖症のような病気)、全般性不安障害(なんだかよくわからないけど、常にいろんなことが不安でしょうがない)、強迫性障害(鍵を閉めたか、水道を閉めたか、などが不安になり、頭か離れず、何度も確認行動をとってしまう)といった病気があります。全て不安が根底にあることが分かると思います。パニック障害を含め、このような疾患に対して、抗うつ薬を飲むと大体4~5週間で効果が出てきます。あとは症状をみながら、その薬を少しずつ増やしていきます。最高用量まで処方して、しばらくしても全く効果が出ない場合は薬の種類を変えます。または、薬で副作用が出た場合も同様に薬を変更します。抗うつ薬の副作用は、有名なものは吐き気と眠気です。副作用は最初の1週間ぐらいがピークでその後の1週間で落ち着いていくる場合が多いです。

 

抗不安薬

また、不安止めの薬を併用する場合もあります。いわゆるベンゾジアゼピン系と呼ばれる抗不安薬です。私が良く処方する薬はロラゼパム、クロチアゼパム、エチゾラム、などです。この薬は、抗うつ薬と違い、飲んだら30分ほどで効果が表れます。効果の持続時間は4~5時間ほどです。なので、例えば、どうしても緊張する場面やパニック発作が起きやすい場面、具体的に言うと、よく発作が起こるシチュエーション、つまり、電車に乗る前、飛行機に乗る前、歯医者に行く前、美容室前に行く前、映画館に行く前、に飲むと、うまく乗り切れる可能性があります。うまく使いましょう。ただ、抗不安薬を毎日飲んでいると、個人差はあるのですが、4か月から半年ほどで、依存性が出てくることがあるので、ずっと飲み続けるのは出来るだけ避けたいところではあります。やはり、パニック障害に対する治療としては抗うつ薬が優先でしょう。

 

いつまで薬を飲むのか?

よくある質問に、薬をいつまで飲めばいいのでしょうか?というものがあります。ここで薬と言うのは抗うつ薬のことを想定しています。これは完全な答えはありません。私の場合は、簡単に言うと、症状が安定してきてから1年は飲みましょう、と伝えています。1年以上安定していれば薬を減らす選択肢もありだと思います。ただ、残念ながら、パニック障害というのは再発しやすい病気です。当院でも、1年以上安定しているから、医師と患者で話し合いの結果、満を持して薬をやめ、診察終了となったにもかかわらず、半年後に以前と同じような症状が再発し、再度、当院を受診することになった方もいらっしゃいます。そして、これは決して珍しい話ではないのです。中には、「パニック発作が再発するのはどうしても嫌だから」と言って、数年以上、抗うつ薬を内服している方もいます。副作用さえなければ、それも決して間違った選択肢ではないと思います。

 

今回は、パニック障害の薬物療法について解説しました。次回は、薬以外の治療について説明しようと思います。

 

 

 

 

 

 

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